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“多国籍の学び舎”生活 

美しいアメリカの街で感じたこと、 学んだことを記録していきます。

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魚を与えるのではなく、釣り方を教えよ

私がポカラで訪ねたNGOを紹介する前に、一つ紹介しておきたい
国際NGOがあります。

「ヘイファー(ハイファー)・インターナショナル」
2010.png
直訳すると、仔牛・インターナショナル、でしょうか。国際仔牛の会?
※アメリカ大使館のHPだと「ハイファー」なんですよね。でも、アメリカ人が話しているのを聞くと「ヘッファー」と聞こえるし、発音記号もheiferなので、ここでは「ヘイファー」と表記します。

日本語サイトのあまりのなさに、これは紹介しなければ!と。
唯一、よく見るのはロータリークラブでの記事。さすが、各方面で
成功してきたロータリアンはわかってる、と思います。

ヘイファーのスタッフがかわいい仔牛を連れCNNに出演しているのを
私自身も見たことがありますが、この団体はメディアに出るときは大抵
牛を連れて出演するので、ブラウン管でも目立ちます。
あまり日本で知られていなさそうですが、世界的には有名です。

この「ヘイファー・インターナショナル」は、飢餓と貧困を失くす
ことを目的とした、アメリカ・アーカンソー発祥の団体です。

設立者ダン・ウェストは本職農家。基本的な概念は、
「魚をあげた場合、あなたは今日一日彼を食べさせることが
できる。釣り方を教えれば、彼は一生食べていける」

というもの。

"Give a man a fish; you have fed him for today. Teach a man to fish; you have fed him for a lifetime."

lens2060277_1230821583heifer_animal_circle.jpg
この団体は仔牛などの動物(地域と場合によっては、ヤギ、ラマ、蜂、
豚鶏、羊、鴨、水牛、ガチョウとバラエティに富んでいます)を「生きた
ローン」と呼びます。このローンの返し方は、その動物を増やし、必要と
している他の家族に分けること。動物を受け取るには、その動物の育て方
などのトレーニングを受けることと、動物を分け与えることに同意しな
ければなりません。

こうすることで、たった数頭の動物がどんどん増えて、最初の投資を
はるかに超えるリターンを得られます。食べてしまったら、売って
しまったら終わりではなく、継続的な食料や収入を得る生活の手段と
なります。また「共同体、助け合いの概念」という、変え難い財産も
コミュニティに築かれます。

HeiferGoat_H.jpg
もらったらあげるのが基本

ヘイファー・インターナショナルの活動は、1942年に最初の17頭の
仔牛がペニンシュラのヨークからプエルトリコに贈られたことから
始まりました。今では、世界中に拡がっています。

「動物は環境問題に対する最も敏感な指針」として、環境問題や水
問題にも取り組んでいます。アフガニスタンやパキスタンでは女性の
教育にも取り組んでいました。企業との連携も進めており、例えば、
養蜂家が質量ともに生産を改善できるようにサポートし、企業は質の
いい生産元を獲得できる(そして、収入を得られた農家は企業の
新たな顧客となる…Next Marketの世界ですね)といった、全体的な
経済活動の拡大・生活水準の向上といった効果があらわれます。

ヘイファーについて調べていたアメリカ人の友人が「この組織って
援助団体にありがちな根源的な問題点が見つからないんだよねー。
ある種、パーフェクトに近い?」くらいの手放しでの褒めっぷり
だったのが印象的でした。

さて、ウェストがヘイファー・インターナショナルを設立したのは、
彼がスペイン内戦時(1936)に食糧援助の仕事を手伝っていた時、本当に
少ない食料を配分しなければいけないことにストレスを感じたことが
きっかけだったそうです。

足りない量の食料の配分を考える際、行き渡らないということはその
まま飢餓で死ぬ人が必ず出る、ということを意味します。
そして、それは大抵弱い子供です。
彼は、本当に辛い選択を毎日しなければならなかったのだと思います。

さらに、食糧援助というものは、足りるということがありません。
内戦や貧困地では、援助用に用意した十分あったはずの食料は常に
足りなくなります。横流し・専横・武器に変えられるなどが日常的に
行われるからです。

世界からの善意は、誰かさんのポケットに入り、本当に必要な人には
届きません。子供は、相変わらず死んでいきます。そしておこる悲惨
な状況が世界に伝えられると、世界からまた善意が集まります。

hagetaka.jpg
死に瀕し弱っている子どもを狙うハゲタカ

横流し・中抜きをする「不正な援助関係者」にとってこんな美味しい
話はありません。末端の弱者が苦しめば苦しむほど、援助が集まる
のです。彼らは、決して満腹して幸せになってはいけない。そうする
と、もう援助物資は集まらないから…。

だから、アフリカからは「悲惨で可哀そうな飢えた大陸」という発信
が多くなされるのです。実際には、そーでもないところもあるのですが。
アフリカ内部からも「そろそろそういうプロパガンダやめない?」と
いう建設的な議論も出ています。


ヘイファーの仕組みは、そうした不正への対策にもなっています。
横流しするよりも、増やしたほうがお得ですし、トレーニングもある
ので、受け取る家族と直接のコミュニケーションがとれます。
村の代表が「皆にかわって受け取っておきますんでー(とか言って
ぜーんぶ俺のもの…)」ということも起こりにくくなります。

「魚を与えるより釣り方を教えよ」を地でいく、非常に効果的な
組織、ヘイファー・インターナショナルの紹介でした。
次は、ポカラの「Participatory Development Center」について
書きます。

※ちなみに、前回のロータリー・インターナショナル世界大会(カナダ・モントリオール、6月開催)でのスピーカーは、ベストセラー『ここに学校をつくろう(原題 Three Cups of Tea )』の著者グレッグ・モーテンソン、ハイファー・インターナショナルCEO(最高経営責任者)のジョー・ラック、それに、カントリーミュージック歌手の ドリー・パートンでした。うーん、さすがいい人選です。Three Cups of Tea、今読んでいますが、とっても面白いです。

*Comment

ヘイファー・インターナショナル 

ヘイファー・インターナショナルってすばらしいですね。初めて知りました。今度はネパールでのこのNGOの活躍を具体的に紹介して下さい。
  • posted by ヘロス 
  • URL 
  • 2011.04/05 02:53分 
  • [Edit]

NoTitle 

私も知ったとき、いい着眼点の組織だなぁとおもいました。
ネパールでのヘイファーの拠点にはまだ行けていませんが(それ以前に紹介されて訪ねている場所がたくさんあって、そこさえも行ききれていないので・・・)、行けたら、色々聞いてきます。
  • posted by Suzuka 
  • URL 
  • 2011.04/05 06:24分 
  • [Edit]

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