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“多国籍の学び舎”生活 

美しいアメリカの街で感じたこと、 学んだことを記録していきます。

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愛が重いポカラ

カトマンズから飛行機で30分、またはバスで7時間のところにポカラがあります。
一度行ってみて、私は、このネパール随一の観光地の澄んだ空気や湖、美しい山々、素朴な人々が大好きになりました。

カトマンズには借りているアパートがありますが、カトマンズ郊外へ出るときはホテル暮らしになります。けれど、少しずつ地元の皆さんと話していくにつれ「ホテルなんて泊まらずに家においでよー」と言ってくれるようになります。

本音と建前で、やはり迷惑では…なんて遠慮していたのですが、心から勧めてくれているようで、ここはありがたくお言葉に甘えさせて頂くことにしました。

ドキドキの初・ネパールホームスティ。
といっても、全く価値観が違うお家へのステイではなく、子女の多くが高学歴で英語も堪能、直接の友人はネパールBBCで働いているというコスモポリタンなご家庭です。「特別なことは何もしないからね、スズカはもう家族みたいなものだから」と言ってくれた言葉がとっても嬉しかったです。

・・・って言ったのに、何だかとても歓迎してくれて、むしろずっと歓迎されっぱなしでございました。また、普段から人との心理的な距離がとても近い国なんだなぁとあらためて実感もしました。そんなポカラでの1日を簡単に振り返ります。長いです。


●「君を一人になんてしない」
朝の7時。
ポカラへ向かうバスに乗るためにバス停に向かった時からそれは始まりました。早朝をものともしない物売りからの「買って買って」攻撃を振り切り、バスに乗車。すると、隣に座ったチベット出身の方がすでに英語の原型を留めていない英語で話しかけてきます。話す内容がチベットにおける中国の圧政や、宗教と政治の問題(中国政府はチベット仏教を弾圧しており、そのためダライ・ラマ14世は亡命)らしかったので一瞬興味をひかれたのですが……彼の話は発音・文法・語彙全てがぐちゃぐちゃなため意味不明瞭で、聞くのは相当消耗します。数時間我慢して、もういいだろうとぐったりとして寝たふりをしても、肩をたたかれ、起こされる。不機嫌そうに放っておいてよと睨んでもどこ吹く風、キラキラした瞳で窓から見える素晴らしい景色を指差す彼。(見せたかったらしい)結局彼は私を解放することなく5時間程しゃべり続けました。参りました。

精神的に若干疲れた、午後2時。
ポカラについてこれまた群がるホテルの客引きを振り切り、静かそうな喫茶店へ。いくつか訪問先のNGOに連絡をしなければならなかったし、質問をもう一度まとめたかったし、バスでは読めなかった本を読もうと考えていました。

やっと落ち着ける!とホッとしたのもつかの間、持っている本から私が日本人であると目ざとく気付いた店員さんがツツツと寄ってきて、片言の日本語で一生懸命話しかけてきます。……ああ、ブルータスよ、お前もか。集中したいから一人にしてくれと言っても、私の前後をソワソワといったりきたり、チラチラ此方を見て、読んでいる本を後ろから見ようとしたり、話したいオーラを体中から出して視界に入る。もう、気になるってば!

そんな頃、ポカラの友人から電話が。
彼はバスの時間なども正確に把握しているので、私の到着時間などお見通しで、しばらくしても私から連絡がないことを心配してくれた模様です。(連絡は夕方にいれると前日メールしておいたにも関わらず)「今、ついてお茶してるの」と話すと、すわこれは大変すぐに迎えに行くよとのお返事。こちらの文化では、慣れない旅人を一人になぞしてはいけないのです(多分)。親切心なのです。

10分後、満面の笑みで現れた彼をみて、思い出しました。
そうだった、彼は、流暢な英語で途切れることなく話し続けることができるという特技の持ち主だった……。前回会った時は、一家の歴史と彼が今の愛する奥様と結婚することになった経緯を6時間ほどかけて細大漏らさず教えてくれたっけ。もちろん、彼は迎えにきた当初から、絶好調なマシンガントーク全開でした。(いつもの状態なら受け止められますが、今回は若干ダメージがありました)

・・・・・・・・・・・
ちなみに、私は基本的に「一人行動全然OK・放っておかれても勝手に面白いもの見つけます」的なタイプで、色々なことを見たり聞いたり感じたりした後は特に、一人静かに内省の時間をとって考え事をしたいタイプです。(けれど、ずっと一人だと寂しくなって、また気のあう仲間で集まりたくなります。)

インディビジュアリズム(個人主義)ど真ん中を貫く文化の米国での生活は、皆が一人の時間を尊重してくれるとともに、集まることも比較的簡単でいつでも付き合ってくれる仲間がおり、そして割とあっさりした人間関係という私にとって非常に過ごしやすい日々でした。

ネパールではというと、日本よりも更にコレクティビズム(集団主義)の要素が強く、家族との距離がとても近いように感じます。お互いにお互いのことをよく知っています。そして、お互いがお互いのことを本当によく構いあいます。そして誰かを一人で放っておくことはしないようです。(この国では放っておくのはきっと愛情表現に反するんだと思う)

● 色んな人に会わせよう!
友人と合流し、一緒にご家族のお家に向かいますが、妹の家、伯父の家、教育関係者の家、同僚の家、と多くの寄り道ポイントがあります。たくさんの人に会えることは心から嬉しいのですが、私がお邪魔すると、毎回皆さんおじいさんから赤ちゃんまで一家勢ぞろいでゾロゾロと出迎えてくれるのです。一家全員10人以上に囲まれて、私のつたないネパール語で何を話せと?間が持ちません。手品とか、一芸を仕込んでおけばよかったですよ。

● チャーをどうぞ!
忙しい仕事の手をとめて一家総出で私を囲んで一部屋に集まっていただくことに恐縮する私を横目に、奥さんがチャー(ネパール式甘いミルクティ)を持ってきてくれます。これを飲み干さないまたはお断りするのは、相手のご家庭への失礼にあたります。いや、大好きなんですが、さすがに4軒も続くとお腹たぷたぷです。とても甘いのです。多分、角砂糖30個くらいは摂取したんじゃないだろうか。。。

●「ウチにも泊まって」かわいすぎる子供たち
ちょっと顔をみて挨拶して立ち話、くらいのつもりでも、とってもフレンドリーなネパールの皆さんに「そんなのダメダメ!」とお部屋の中へと招待されてしまいます。最初は一家勢ぞろいですが、子供たちがいる場合は、大人は仕事に戻ることもあります。子供たちは本当にかわいいです。小学校から英語をならうので、10歳くらいでも、結構英語を話せます。

「将来の夢は?」と聞いてみると、「分からない、考えたことなかった」とのこと。この質問を子供にすると「夢ってなに?そんなのないよ、将来って決まってるもん(決められてるもん)」なんて言われたりするので、身近なところから意識改革をと思って、子供にそう聞いて、可能性は無限だよ、という話をするようにしています。

「望めば、ネパールの首相にだって、スーパーエンジニアにだってなれる可能性はあるんだよ、まずは思うことがスタートになるんだよ」という感じの話をすると、メガネの男の子の目がお皿のようにまん丸になりました。(本当にかわいい)

P1040185.jpg

そのご家庭では、チャーに加えて食パン2枚とヨーグルトが出てきました。
おおう、これを食さねば帰れない。前の家でもチヤーを3杯飲んでいるし、数時間後の夕食(もちろん残すなんて言語道断)もあるが大丈夫だろうか…と己の胃の小ささを嘆く私。

「ねぇねぇ、明日はウチに泊まっていって!」
「おねぇちゃんって呼んでもいい?」
「カトマンズに帰ったら、ボクたちのこと忘れちゃうの?」
「嫌だ、まだ行かないで!」

ああ、君たち、かわいすぎる。何この萌え天国?ごめんなさい、でも、もう行かなければ。まとわりつく子供たちを振り切るように、訪問したお家をでます。

●「たーんと食べてね、ダル・バート」
ダル・バートとは、ネパールの伝統的な食事です。日本でいうところの茶碗3倍分くらいのご飯(こちらの人は実にたくさんお米を食べます)に、豆や野菜をスパイスと煮込んだ数種類のルゥ(さらっとしたカレーみたいな感じ)とともに頂きます。

ダルバート

本当に美味しかったですし、十分な量を頂いたと思ったのですが、彼ら基準では「少食過ぎる」らしく、もっともっとと勧めてくれます。家族の皆さんが気にされないようにアピールタイムです。ほら、私ってこんなにちびっこでしょう、おなか周りもちっちゃいでしょう、だからね、胃も小さいの。美味しくてダル・バート大好きなんだけど、胃の容量が少ないから、物理的にたくさん入らないの。でも、素晴らしく美味しいから、今度作り方教えてくださいね!…と(必死)。

それでも、日頃からすると相当食べています。押したら逆流しそうな勢いで、既に胃はパンパンです。

● 占ってしんぜましょう
食後は、お隣さんを訪問。まだまだ続く、訪問シリーズ。なんでも、ヒンドゥー式の占いが出来る方が住んでおり、ぜひ占いを体験してみないかと。ネパールの方は本当に占い好きで、結婚から健康状態まで何でも占い、「検証できないこと、証明できないことは基本的に信じない」という性格の私からすると、びっくりするくらい占いにしたがって生きていたりします。

いい経験なので、どんなものかとみせて頂くことにしました。
すると、占い師の方以外にも、ご近所さんと家族が集まってきます。
P1040065.jpg
キラキラと瞳を輝かせて部屋に入る皆さん。
ええっと、こんな衆目の中で占われるんですか?私。

P1040069.jpg
占ってくれる方は厚い本を出しながら、なにやら計算を始めます。
「あなたのネパール名はグバネヴィです…」占い師は厳かに告げます。
「今日でちょうど生まれて●年●ヶ月●日です」のところでは、周りの男子が一斉に息を飲みます。はいはい、あなた方が思っていることは手に取るようによーく分かりますよ?日本人は若く見られるんです。見かけより年食ってますよ、何か言いたいことでもあるかしらー?と心の中でヤサぐれる私。

占いは小一時間ほど続きました。しかし、ほぼ全員年下の男の子に囲まれて、生きている年齢を日数まで公開されて、「28歳のときに結婚しようと思っていましたね?」「結婚相手は、小指の下の線が2本ある人とすると良いのじゃ(そして、年下男子が自分の手のひらをチェックする動き。なんだそりゃ?)」とか言われるのって、何の罰ゲームですか…?(涙目)

● まだまだ続く、家族の団欒。今度は結婚式のDVD鑑賞大会。
それが終わると、友人はさわやかな笑顔で聞いてきます。
「僕たちの結婚式のDVDがあるんだけど、見てみない?」
それは面白そうです。せっかくなのでと笑顔でYesと答えると、DVDが全部で5枚出てきました。おおっと。

DVD鑑賞会も、近所の少年少女や隣の家のお母さんなどが加わり、10名以上に膨れ上がります。結婚式は3日間続けられたそうで、踊ったり歌ったり、いろいろな儀式をしたり、とにかく長いのですが、近所総出で祝っているので、皆自分が出てくるシーンをワクワクしながら見ています(もう何度も見ているらしい)。

早送りしながら見せて頂いたのですが、それでもやはり5枚は長く、途中から酷使され続けた胃がキリキリと痛み始めます。しかし、ここで顔をしかめてはなるまい。。。一生懸命笑顔を顔に貼り付け、映画並みの大作を鑑賞いたしました。

部屋に帰ってベットに倒れこみ、そのまま気絶するように眠ってしまいました。10時半くらいだったと思います。

●朝の5時半の訪問者
気がついたら朝。5時にはご家族は起きだしていて、外から物音がします。
そして5時半頃。ベットでうつらうつらしていると、ぎぎぎぃ…と部屋のドアが開き、お母さんが「えー!」と言いながら、部屋に入ってきました。

一瞬あわてる私。
5時半にベットから出ていないというのはいけなかったのだろうか?何故にノックもなく…?お笑い番組で起きぬけ突然訪問とかあったけど、それのネパール版?私がマズイ格好とかしていたらどうするんだろう?など、色々な想像が頭をよぎります。

お母さんは何かネパール語で話して、毛布を持ってきて、ベットで固まっている私に毛布をかけてくれました。どうやら、その夜は少し冷えたので毛布を用意していたのに、私の泊まる部屋にそれを入れ忘れていたことに朝気付きあわてて持ってきた、ということのようでした。しきりにごめんなさいね、と言われたけれど、毛布がなかったことよりも、5時半に部屋に現れ、なんの躊躇もなく毛布をかけられたということのほうにびっくりして、すっかり目が覚めました。

●チャー、卒業論文、ダル・バート
朝はもちろん、一杯のチャーから。皆さん、本当によくチャーを飲みます。何だか、この国の人たちの糖尿病罹患率が心配になってきました。(糖分が多いので)

その後、朝食前に勧められて友人の卒業論文などを読みます。彼は、アリス・ウォーカーの「カラー・パープル」というアメリカ黒人文学について書いていました。名作なのですが、虐待・性的虐待・黒人差別・女性差別などについて朝の6時から読むのって何なのだろう?と思わなくもなかったり…。

そして、ダル・バートを朝食に頂きます。
こちらでは3食ダル・バートです。

そして、朝の8時半。
お世話になったお家を出発し、訪問したかったNGOに向かったのでした。
そこでもまた書ききれないような歓迎を受けます。

その後また諸々あって、やっと一人になれた時(既に夜)には、どっと疲れが襲ってきました。人と人との距離がとても近く、常に誰かが身の回りにいて構ってくれる状態がずっと続きました。もちろん、愛情と好意をもって接してもらっているという実感もとてもあり、それは本当にありがたいことです。

それでもついつい、「愛が重い…」とつぶやいてしまった私でした。

*Comment

 

DVD5枚のくだりで超笑いました。さすがcollectivism societyの本場。彼らの社会について知識として知ってるのと行って経験するのとでは大違いっすね笑。自分はネパールでリサーチはできないな・・('A`)
  • posted by Tomo 
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  • 2011.04/30 22:57分 
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  •  
  • 2011.07/13 12:46分 
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